2012年4月30日月曜日

職業図鑑「星座クリエイター」

星座クリエイターの大和猿田彦(やまと・さるたひこ)さんに話を聞いた。

「本日はご多忙のなかお時間を頂戴しありがとうございます」

「どうも」

「さて、早速質問なのですが、そもそも星座クリエイターというのはどのような職業なのでしょうか」

「夜空を見上げると無数の星が瞬いていますね。あれらをつなぎ合わせて、命を吹き込むことが星座クリエイターの仕事です」

「ははあ、要は星座を創作すると」

「いえ、命を吹き込むのです」

「あ、失礼しました。星々に命を吹き込むのですね」

「そうです」

「しかし少し不思議に思いますのは、さそり座や乙女座など既に知られている星座がありますよね。にも関わらず、あえて新しく星座をつくろ・・いえ、星々に命を吹き込もうと思われたのはなぜなんでしょうか」

「いま世に知られている星座はどれもヨーロッパ発祥のもので、ギリシャ神話にもとづくものがほとんどなんです。でもよく考えたら、その見方に全世界が縛られるのはおかしいのではないかと。地域地域の独自性があってもいいんじゃないかと思い、日本ならではの優れた物語を紡ぎだそうと思い至ったのが背景です」

「なるほど、興味深いですね。具体的にはどういったものを創られたのでしょうか」

「たとえばこれを見てください」 (大和氏、星図を前にずっと差し出す)

「これらの星を結びつけると、『心』の字になりますね。これは手刀座といって、力士が懸賞金をもらう際にする仕草をかたどった星座です」

「なるほど、いかにも日本ならではですね。あれ、この4-6等星を集めた星座は?」

「それは『かつら座』ですね」

「かつらですか・・どういった物語があるのでしょうか?」

「それはさておき、ここみてください。『金色夜叉』という星座なのですが、春夏秋冬と4つの季節にわたって展開する星座で、1等星 3個、2等星 5個、3等星 17個、4等星 42個、5等星以下 108個を贅沢に使った野心的な作品です」

「たしかに物語性は濃厚な感じはしますけど、ここまで来るとなんでもありな気が・・」